拝啓 東京新聞さま。データの確認していますか?

こんにちは、東京都議会議員(府中市選出)の藤井あきらです。

先日、産経新聞のPCR「陽性率」の取り扱いがおかしい、誤報であると言うブログ記事を書きましたが、その後、東京新聞でも同様の記事が発表されています

新聞社が立て続けに同じような分析をしていることに、率直に言って驚いています。

問題は小学校で習う割合の計算

東京新聞の記事はこちらです。

<新型コロナ>陽性率、都内で急上昇 検査少なく実態見えず(東京新聞、2020年4月25日 夕刊)

問題となるのは以下の部分です。

>>>一方、国内で最多の感染者を抱える東京都で計算すると、高率になる恐れが判明した。曜日ごとの増減を平準化するため、一週間ごとに足し上げた陽性者数を一週間の検査数で割ったところ、二月から三月中ごろまでは0~7%。しかし三月十五日からの週は16%、二十二日からの週は32%と上昇した。四月十二~十八日は63%になった。

都政に日々携わっている記者であれば、一目見て陽性率が高すぎる異常な値と分かるはずです。

今回の東京新聞の数字の間違いも、23日の産経新聞の記事も、「陽性率」の求め方を間違ってしまっています。

これは難しい話ではなく、小学校5年生の算数で習う割合の計算の話です。

分数の計算の際に、分子と分母で使うべき数字を取り違えているため、高い「陽性率」が出てしまっています。

言葉ではわかりにくいので、スライドにまとめました。

「陽性率」の正しい求め方

「陽性率」の求め方について、以下説明をします。

PCR検査には、以下の2種類があります。

①保健所を経由して東京都健康安全センターが行う検査(以下、①保健所
②病院・クリニックなどを通じて保険適用で民間検査会社が行う検査(以下、②民間検査

現状、東京都の毎日発表する「陽性患者数」は①保健所と②民間検査を合算したものが公開されています。

一方で、「検査実施人数」は①のみ公表されています。

「検査実施件数」は毎日①を公表し、②は毎週金曜日に公表(前週木曜から水曜までのデータ)となっています。

そのため、単純に「陽性者数」を、「検査実施人数」や「検査実施件数」で割ると、②民間検査会社の数が含まれずに分母の数字が小さくなり、高い率の数字が出てしまいます。

つまり、東京新聞や産経新聞の「陽性率」の計算は分母に含めるべき民間調査会社の分が含まれていないため、高く出ているという事です。

メディアにとって、データの確認、ファクトチェックは何よりも重要です。

どんなに正しいことを主張していても、使っているデータに間違いがあれば、そのメディアは信頼されないでしょう。

繰り返しになりますが、都政に詳しい記者が書いたならこのような間違いはしないはずです。

データの確認しっかりしていますか?

実際には「陽性率」は横ばいか、やや下がっている

では、「陽性率」は実際にはどうなっているのでしょうか?

都の公開している検査実施人数には、民間検査会社分が含まれていいないので、検査実施件数を分母にとって計算をしています。

休みなどの関係で検査数が減る土日の影響を減らすため、7日間移動平均で見てみましょう(東京新聞の記事も同様の手法を取っています)。

7日間移動平均をみてみると、「陽性率」は少なくとも横ばい、やや減少傾向にあることが見て取れます。

7日間平均で見た直近の「陽性率」は14%程度です(最新の22日は12.31%です)。

この「陽性率」が高すぎるという議論や、検査数をもっと増やすべきだという議論はありえますが、「陽性率」が32%や63%で高すぎるのではないでしょうか?

一方、「陽性率」にはまだ課題が残る

「陽性率」については、まだ課題もあります。

「陽性率」は本来であれば、検査した人数を見るべきかと思います。
※検査件数には、同じ人が複数回行う検査が全てカウントされてしまいます

しかし、都では民間検査の検査人数を把握できていないため、その値を出す事ができていません。

都として把握すべきで、私は課題として認識をしています。

ただ、そもそもになりますが「陽性率」の数字そのものを他地域と比較して高い低いや、増減を見ることにどれだけの意味があるのかということは慎重である必要があると思います。

「陽性率」の数字を下げること自体にあまり意味はないのではないでしょうか。

都の福祉保健局への提案:1.対策サイトの見せ方の改善、2.民間検査数のリアルタイムでの把握

東京新聞や産経新聞のデータの取り扱いには慎重にして欲しいところですが、一方で、大手の新聞社がここまで間違えてしまうのは、東京都の福祉保健局のデータの出し方は大いに問題があるからと言えます

1. 私からは、東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトでのグラフの見せ方の変更を提案しています。

例えば、検査実施件数に関して言えば、②民間検査分が反映されるまでは、仮として色を変えるなど、数字が確定していないことをわかりやすく示すべきです。

民間分の反映後は、①保健所と②民間検査の数がそれぞれわかるグラフにすべきです。

2.加えて、現在、民間検査会社の検査件数は週1回しか把握できていません。

大阪府など他自治体の例なども参考に、毎日データを確認できるようにすべきです。

【参考】:都のPCR検査数などについて書いた過去のブログ

Comment

  1. コロナ累積患者数と都道府県別の人口密度は、強い相関がある。
    (人口密度の低い北海道も、患者の居住地は、札幌市が六割強で、また、札幌市周辺市も多い。)

    手指に付着したコロナウイルスによる感染、コロナウイルスを含んだエアロゾルによる感染の原因分析のため、
    濃厚接触時の感染時の湿度、滞在時間、患者の密度と数、マスクの着用有無、手指消毒の有無、会話の有無が気になるところではある。

    y=A+Bx+Cx^2 計算値
    xの平均値 656.1502128
    yの平均値 338.6595745
    相関係数 r 0.94636179
    A 132.7914386
    B -0.001208364
    C 1.10E-04

    人口密度 累積患者数
    岩手県 80.29 0
    鳥取県 158.44 3
    徳島県 175.71 5
    鹿児島県 174.16 10
    秋田県 83 16
    宮崎県 138.59 17
    長崎県 320.8 17
    島根県 100.46 24
    岡山県 265.85 25
    青森県 129.19 27
    香川県 509.42 28
    山口県 221.76 37
    三重県 308.21 45
    佐賀県 333.6 46
    熊本県 235.74 48
    山梨県 181.86 57
    栃木県 303.1 58
    大分県 178.91 60
    和歌山県 195.51 63
    山形県 115.53 69
    愛媛県 235.87 70
    静岡県 467.93 73
    高知県 98.21 74
    長野県 151.09 76
    福島県 134.07 81
    新潟県 176.57 83
    宮城県 316.27 88
    奈良県 360.7 90
    滋賀県 351.96 98
    福井県 183.21 122
    沖縄県 637.52 142
    群馬県 304.55 147
    岐阜県 187.26 150
    広島県 331.14 165
    茨城県 470.37 168
    富山県 245.55 224
    石川県 271.66 285
    京都府 560.07 358
    愛知県 1460.04 503
    福岡県 1024.79 657
    兵庫県 650.36 698
    千葉県 1217.43 890
    埼玉県 1932.02 979
    北海道 66.93 989
    神奈川県 3807.54 1251
    大阪府 4631.03 1765
    東京都 6354.79 5036

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